私が頼んだ男性と女性のポスターの出力がこれですね。 これは、男性と女性の肌で作業は異なるんですか
日本人の女性の肌というのは、透明感があってキメが細かい。 その美しさを出すために、 男性の肌よりも緻密さが要求されますね
でも、ただキレイにすればいいってもんじゃあない。 写真の質感や雰囲気というのも大切にしながら、肌を美しく見せなければならない
男性と女性の肌は、そもそも違いがある。 写真のトーンは同じまま肌の質感の違いを出すのが、 我々の腕の見せどころってことかな
髪の毛の雰囲気もよく出てますね。 このデータ渡す時、見本のプリントは渡していませんよね
ええ。写真全体の雰囲気とかシチュエーションとかからイメージして、 髪はフワッとした軽さを出した方がいいと思い、 少し青っぽくしてみたのだけど、どう?
いや、ほんとにプリントの雰囲が うまく再現できてるなと思って、 ちょっと驚いているんですが…。 全体を見て細部を想像するんですか
まあ、そういったこともできないと、 ADの方の望んでいるニュアンスをくみ取ることもできないからね
単なる作業になってしまったらダメ。 我々のやっている仕事自体はクリエイティブではないけれど、 ADの方たちのクリエイティブを想像できなければ、いいものはできないですから。 そういった見る目というか感性といったものは、大切かなと思っているんです
ポスターのこの細い線も、キレイに出ていますね
これくらいは、当然出ますよ
でも、こういった線で時々、下の白が出てしまっていることが あるんですが、あれはどうして?
ああ、それは、もらったデータのまま印刷してるからですね。 印刷データにする時は、下の紙の色が出ないように、 薄い方の色を少し太らせなければならないんですよ
まあ、当り前といったら当り前。 肌や髪の質感についてもそうだけど、なにが求められているのか、 想像力を巡らせて、まずこちらでできることはすべてやる。 そのうえでADの方に見てもらって指示をもらうというのが我々の姿勢ですから。 そすれば、ADの方ももっと作品にこだわれるかもしれない