今回は、アド・シーズ 朝野とアド・シーズの営業スタッフの座談会をもとに構成したものです。
先日、他の会社で何度も色校正を出したのだけれど、 写真の色味がどうしても再現できない。 アド・シーズでどうにかなりませんか、 というご相談を受うけたことがありましたね
あったね。あの写真はフィルムカメラで撮影されたものだったな。 フィルムには、コントラストや中間調の出方とか、 デジタルとはまた違った味わいがあって、 それを再現するのは、なかなか難しいことなんだよ
あの時は、カメラマンが現像したプリントを渡されましたが、 ネガフィルムもほしいと、お願いをしましたね
プリントの雰囲気を大切にしてるカメラマンは、 自らが焼いたプリントに近づけてほしいという希望があるから、 プリントをそのまま原稿にしている場合も多い。 もしくは、ただスキャニングされた実データを 入稿用に使うこともよくあるけれど、 それでは、印刷した時にどうしても再現できない色、階調も出てきてしまうんだ
印画紙に焼いた写真の繊細な色彩を、 印刷で再現するのは難しいんですね
そうなんだ。 プリントに近付けるためには、 プリントそのものを原稿にするより、 ネガやポジから入力させてもらったほうが 情報量が多いために ハイライトからシャドーまでの再現が良い。 そのデータを調整することで 結果的にプリントに近づけることが できるんだよ!
へえ。なんか遠回りなようでも、実は確実な方法なんですね
まあな。この道ウン十年の技術と経験があるからこそ、 フィルム写真の美しさだって引き出せるんだよ
広告の世界でもフィルムを使っているカメラマンの方は まだまだ決して少なくないですよね?
デジタルの写真も美しいが、フィルムの味わいは写真の醍醐味だ。 その美しさにこだわっている写真家の想いに、 我々も応え続けなければならない。 だからこそ、フィルム入力からリカラーできる体勢、 技術は残していかなくては、と思っているよ
美しい写真のポスターや写真集を支えていきたいですね
デジタルもアナログも、それぞれの良さを最大限生かすために、 リカラーの技術を駆使して再現するのが我々の役目ってとこかな!