今回は、アド・シーズ 朝野と広告代理店と制作プロダクションのAD4名との座談会をもとに構成したものです。
校正は1色刷ったら乾かして、 次の色を刷って乾かしてってやるんですよね
はい。 でも、乾かし過ぎもだめ! 半乾きの状態が、いちばんインクが乗るんです
そのタイミングを見るのも、技術ってことですね
そのとおりです! わかっていただき、ありがとうございます
それは紙によっても違うんですか
さすが、目のつけどころがいいですね。 上質紙やザラ紙みたいなのは乾きが悪くて、刷りにくいんですよ
刷りやすい紙と刷りにくい紙があるんですね
ええ。あとは厚紙とか、表裏の紙質が異なる ミラーコートやタック紙も失敗しやすいですね。 温度や湿度の影響を受けやすい ファンシー系の紙も刷りにくいです
そういった紙に刷る時はどうするんですか
刷りにくい紙だということが分かっているから、 細心の注意をはらい、紙に貼り紙をしたり、 多めに刷ることでトラブルを回避します。 わからずに刷ってしまうと、トラブルのモトですね
知っていることが重要なんですね
そうですね
校正では色が出てるのに、本番で出ないときがあるんですが、 なにが原因なんですか?
いろんなケースがありますが、 ひとつ考えられるのは、インクを盛って 校正上は見た目をつくろっている場合があるかも
えっ、どういうこと?
例えば、刷ってみたらマゼンダが弱かったから、 その場凌ぎでマゼンダのインクを盛って調整するってことです。 それをやったら、本機ではうまくいきっこない
そんなことやることがあるの?
ええ。とりあえず校正だけ通せばいいって考えでしょうね
ひどいっ!
そう、ひどいです。 色が出てなかったら、 データから修正しなければダメなんです
でも、アド・シーズさんでしっかりと校正をあげてもらっても、 その通りに印刷できるかどうかも、わからないんじゃないですか
そうならないために、印刷機の特性に合わせた 独自のドットゲインカーブで管理した上で 私たちはすべて印刷まで立ちあうんです
あっ、そういえば以前のリカラートークにも書いてありましたね
はいっ!
私も刷り出し立会いすることがあるんですけど、 刷り上がったばかりって少し色がちがいますよね
ええ。インクが紙に吸い込まれてないので、 発色がいいですね
最終的な色に落ち着くのはどのくらい?
紙にもよりますが、だいたい1時間くらいですかね
やっぱり、そのくらいはかかりますよね
例えばヴァンヌーボなら、 刷り出しは濃度を10%増しくらいで見るといいんです
10%ドライダウンを見込んで見るってこと?
そのとおり!
10%って言われても、なかなかイメージできないんですが…
ミセスBなら7~8%くらいかな〜
10%もわからないのに、微妙過ぎてわかりませんっ!
こちらも職人的な経験値みたいなものですかねぇ(笑)