今回は、アド・シーズ 朝野とアド・シーズの校正担当オペレーターとの座談会をもとに構成したものです。
校正の達人もいよいよ3回目。 今回も鉄人ならではの話を頼むね
では、今回は紙の話を
アドシーズでは、紙が伸縮しないように 刷る前に半日くらい紙を吊っていることは リカラートーク10で、すでに言っているよ
さすが、こだわってるねー。 そのぶん電気代はかかるけど(笑)
そこには、いつも 数十種類もの紙を吊っているんです
常にたくさん吊ってるよね
使われる紙を予測して、前もって準備をしているのです 外から紙を持ちこまれても、紙の状態が安定してないので すぐには使えませんから!
じゃあ、どんな紙が使われるのか、 『神』のような洞察力が必要なわけだ
まあ、そうですね…。 トレンドとかはしっかりとつかんでいます
そういえば、前々回のリカラートークで、 紙によって性質が違うから、 インクの盛り方を微調整をしているって言ってたけど、 すべての紙のことを知ってるの?
日本は紙の種類も多いし、次から次へと新しい紙が開発されるので、 すべての紙を知っているなんて言ったら、それこそ『神』ですよ
おっ、私のをパクッたな
すみません。 もちろん、主な紙の性質は知っていますが、 初めて使う紙もけっこうありますね
そういうのは、見たり触ったりして、 どんな紙か判断するの?
いいえ。見た目がマットみたいでも、 コート紙のような性質のものもあります。 でも、一度刷ってみるとその性質はだいたいつかめますね
さすが、これぞ達人のなせる技! それでも、なかなか刷りにくい紙ってのはあるんだよね
ええ、ファンシー系の紙は、表面に模様など凹凸がありまして、 その凹み部分は、なかなかインクがつかないですね
そんな時はどうするの?
貼り紙と言って、もう一枚紙を貼り合わせて刷ります。 そうするとインクの乗りが良くなりますね。 分かりやすく例えると、 通常、判子を押すときに、 柔らかい下敷きや紙などを下に敷くと かすれにくくなるような事です
それは手間がかかるね。 貼り紙をしないでインク量を多くしたり 印圧を強くしたりする場合もあるよね…
そんなことしたら、インクがにじんで『ドットゲイン』が起きてしまいます。 校正機のブランケットの硬さと 紙の柔らかさのバランスを考えてドットゲインを最小限に調整して 印刷物の色の表現を忠実に再現させるのはプロの仕事です。 どれだけ手間をかけても品質にこだわるのが、アドシーズですから!
貼り紙ありのベタ濃度管理
いいこと言うねー!
ところで、私たちはここまでこだわって空調や紙の状態を管理していますが 本印刷ではここまでやってないですよね
それは、校正は4色を刷るのに半日かかるけど、 印刷は1時間で一万枚前後も刷るので、 紙やインクの変化がほとんど感じないからだよ
なるほど。だからオートメーション化も進んでるんですね
逆に、校正はオートメーション化できないからこそ、 濃度判定機や自動インクグシステムを使って、 さらに達人の技術が必要なんだよ
ますます仕事に誇りが沸いてきた。 これからも精進して、校正の達人の中の達人を目指します!
頼んだぞ